正確で信頼性の高い知的財産(IP)情報を入手できるかどうかは、企業の成功を左右します。 特許申請の却下リスクを最小限に抑え、そして既存の特許を誤って侵害しないようにするためにも、処方に関する知的財産の検索は製品開発パイプラインに欠かせない要素です。
しかし、知的財産を調べる研究者は、科学に関する知的財産の情勢を的確にナビゲートするため、正確な見識を迅速に得られる優れたツールを必要としています。 知的財産が多様な言語で出版され、化学構造、グラフ、表など多様な形式で収集されている現状では、徹底的な処方に関する知的財産の検索を実行するのは、難易度の高い課題となってきています。 知的財産の知識に少しでも欠落があると、それが企業の長期的な成功を危険に曝す可能性があります。
ここでは、処方に関する知的財産を調べる研究者が差し当たって直面している課題と、CASが提供する新しい処方プラットフォームがどのように検索効率を高めるのかど説明します。
処方・製剤に関する知的財産検索の骨の折れるプロセスは、変わらないとならない
処方に関する知的財産の包括検索プロセスの現状は、苦痛に感じるほど時間がかかり退屈な作業です。 特許申請の爆発的な増大に伴い、処方に関する知的財産の検索戦略は、ますます網羅的なものとなってきています。 広範囲にわたって検索の網を広げると、該当する可能性のある結果が膨大にヒットし、その結果を手動で確認するにはかなりの時間が費やされます。 知的財産の調査をする研究者に質問すれば、処方に関する簡単な疑問に対する回答を見つけだすために、数週間という時間をかけて何百件もの特許文献を精査していると回答するでしょう。
検索時に真に一致している結果か確認し、間違った検索結果を除外するために、処方の研究者は文献の全文を読む必要があり、これがプロセスを退屈なものにしています。 さらに、無料または公共利用ができる知的財産検索ツールでは、無関係の結果がヒットしたり、検索範囲が限定的だったりします。 例えば、2件の特定の要素を組み合わせたシンプルな特許検索では、各要素ごとに一覧表示された検索結果が数百件もヒットします。 検索が表示される方法に精度がないため、研究者は手作業で検索結果のリストをふるいにかけ、最も関連性の高いものを見つけなければなりません。 急ぎで網羅的な検索を実行している際には、外国語で申請・登録されている関連特許の存在がさらに検索プロセスを妨げることになります。
製薬、食品、農業、化粧品などの業界の企業なら、業務全体の計画を狂わせる恐れがある、見逃しやすい知的財産のギャップに関連した財務的リスクを把握しているはずです。 信頼性が高く、直感的に操作できるリソースなしに、限定的な時間で徹底的な知的財産の検索を実行することは、知的財産を調べる研究者にとって多大な負担となります。
世界最大の処方のコレクション、CAS Formulations™
処方に関する知的財産検索の現在の課題を解決するため、最近CASは世界最大の処方のコレクションであるCAS Formulationsをリリースしました。 20年以上にわたるデータを網羅しているCASデータ専門家が収集した数百万もの処方を収録したCAS Formulationsは、大幅に時間を節約し、知的財産を調査する研究者向けの直感的な検索ツールとなります。
CASの専門家は、特許、ジャーナル、製品資料から処方に関する重要な情報を知識を駆使して収集しています。 このユニークなコンテンツは経口薬、除草剤、殺虫剤、香料、香粧品にわたり、当初は英語、フランス語、ドイツ語、日本語、中国語、韓国語で出版された情報を網羅しています。 このような処方の包括的コレクションは、研究者がクエリから有用な見識に数分間で辿り着けるように役立ちます。
詳細なインデックスに加えて、CAS Formulationsでは、処方において物質が用いられている方法と理由を明らかにする近接検索機能も提供しています。 これにより処方の研究者が溶媒から有効成分を区別するのに役立ちます。 CAS Formulationは、既存のSTNext®ワークフローに直接統合されており、その検索能力と精度を基盤に、処方に関する知的財産の検索を一層詳細なレベルで実行します。
リスクを排除し、時間を短縮させて効率的な知的財産検索ワークフローを開発する
CAS Formulationsの主なメリットの一つは、その正確な検索の可能性です。 「グループ」「成分」「標的」などの新しい検索および表示フィールドが追加されたため、高度に絞り込んだ検索が可能になります。 「Product Display」や「Chem Display」など表示メニューのオプションにより結果を簡単にフィルタリングできるため、研究者は情報に基づいた決定を行いやすくなります。
書誌表示では研究者は処方の概要を確認できるため、手作業で大量の科学的な文献や特許の山を検討する必要がありません。 この表示結果では、処方成分のプレビューを提供するほか、データの有効性の判断に使える情報源も確認できます。
一般に公開されているデータベースとは違い、CAS Formulationsでは研究者が直感的に検索を実行できるため、プロジェクトを前進させる回答を迅速に得ることができます。 例えば、研究者は特定の成分の組み合わせを検索するために処方ベースのクエリからスタートできます。有効成分、賦形剤、溶媒などの成分カテゴリを具体的に設定することも可能です。 また、抗がん剤や除草剤など、目的とする標的に関する処方の特許を参照するために、標的ベースの検索を実行することさえできます。 高度な検索には除外による絞り込み機能もあります。つまり、すでに特許所得済みの特定成分を含まない処方を特定できるため、新たな可能性を発見して投資するのが企業にとって容易になります。
結論として、処方に関する知的財産の検索で信頼できる回答を得られることにより、企業は自信をもって事業関連の決定を下すことができるようになります。 CAS Formulationsは貴重な時間を節約し、処方調査で苦労するポイントを排除し、企業が包括的かつ最新の情報に数分間でアクセスできるようにしてくれます。 もちろん、どんなものでも新しい方法を既存のワークフローに採用・導入する際は、必ず疑問などが付きまといます。
CAS Formulationsの技術トレーニングをリクエストし、貴組織の業界により適した正確な検索戦略を学ぶには、CASカスタマーセンターにお問い合わせください。