グローバルなグラフェン出版トレンドの深い分析により、多様で競争力の高い分野が明らかに
CASと中国科学院国家科学図書館の共同研究による新たな発見
オハイオ州コロンバス発 (2017年12月5日) - 米国化学会(ACS)の情報サービス部門CASは、本日、ホワイトペーパーであるGlobal Science & Technology ReportのGraphene Research & Developmentの利用が可能になったことを発表しました。ここでは、ダイナミックなグラフェンの研究状況の主な傾向に焦点を当てています。 CASと中国科学院国家科学図書館(NSL)の共同研究の成果をまとめた最初のレポートは中国語と英語で発行されました。 これはCASのデータ科学者が取り組んでいる一連のデータ分析プロジェクトの最初のもので、特に影響力のある新たな技術分野に焦点を当てています。
奇跡の素材と呼ばれているグラフェンは、電子工学、バッテリー、医薬品、スポーツ器具など非常に多様な用途を劇的に変える可能性があるユニークな特性を持った炭素の同素体です。 ウェアラブル電子機器や生体センサーなど関心の高いテクノロジー分野の発展を促す鍵となる要素となっています。 そのため、急成長しているこの分野における発展は、世界中の科学者、ビジネスリーダー、投資家、政策決定者の最大の関心の的となり、新たなコラボレーションのチャンスを生んでいます。 ブラジルのMackenzie Presbyterian Universityのグラフェンおよびナノ素材研究センターMackGrapheの教授であるE.A. Thoroh de Souza博士は、こう言っています。「これまでの経験から、このグラフェンという最高の素材は、フォトニクス、エネルギー、合成物において、学術と商業分野間の活発な相互交流を生んでいます。 これまで目撃したことのないような、異なる業界セグメント間の高度な共同研究の触媒となっています。」
今世紀初頭のグラフェンの発見から世界中で発行されてきた10万件以上の文献を分析した結果として、このレポートでは現在進行している各種研究の興味深い側面に焦点を当て、グラフェンの研究が基礎研究から応用研究への移行分野として、どう進化しているかを説明しています。 グラフェンの展望と挑戦は、専門家とのインタビューでも議論されています。
CASは、1)化学サイエンスや関連研究についての150年間の情報を包括的に網羅してしている高度に整備されたビッグデータ環境、2)時代全部の研究情報の化学者による詳細な全文インデックス化と収集という2つの資産を有しているため、この種の詳細解析を実施できる特別な立場にあります。
CASの構造化されたビッグデータ環境には、科学的トレンド研究に世界最高のデータアナリティクスフレームワークを提供する非公開のHadoopプラットフォームも含まれます。 この高度なプラットフォームには、化学者が定義した科学的関連性が無数に存在し、関心の高い領域のナレッジマップを構成しています。 このテクノロジーが主要な機能となっていますが、CAS独特の長所は、出版文献を増やすためにCASの科学者が実施してきた情報の収集とインデックス作成により実現されています。テクノロジーと化学者の収集努力こそ、複雑な化学情報を専門とするCASの分析能力に結びついています。
CASの何百人もの化学者が、出版された世界中の科学的文献に目を通し、特定の化学物質、アプリケーション、トピックの鍵となる詳細情報を抽出し、非常に価値のあるコンテンツデータの関連性をまとめています。 これらの科学者たちは豊富な知識を積み重ねており、高度でない技術または技術単独では発見できない洞察や傾向を見つけられる技能を培っています。この豊富で的確に構造化されたデータが、広範な研究分野全体の価値ある分析を支えています。
CASの製品・コンテンツ・オペレーションズ部門担当バイスプレジデントのMatthew Toussant博士は、次のように述べています。「グラフェンの研究開発に関するトレンドレポートは、データアナリティクスが科学的発展への理解をどのように深めることができるかを示す素晴らしい実例です。 公開された研究を科学者の視点から深く分析することで、新たなトレンドに対する視野を広げ、この種のデータアナリティクス手法なしでは得られない洞察が得られます。 今後も、この継続的なプロジェクトで他の影響力のある研究分野を探索していきます。また、この領域における更なる共同研究への参加を歓迎いたします。」