特許出願は頻繁に拒絶されます。 事実、特許出願は最初の試みで拒否される可能性の方が高いのです(2017年度AIPLAの経済調査報告)。 拒絶されれば費用も時間もかさむ結果になるため、拒絶の可能性を最小化することが求められます。
幸いなことに出願プロセスを整理し、最初から最善の方法で開始するアプローチがあります。 ここではR&D会社が特許出願で遭遇する典型的な落とし穴をいくつか取り上げ、特許承認の機会を高める最善のアプローチに焦点を当てます。
出願拒絶の蔓延(および問題点)
出願拒絶のケースは、非常によくあります。 米国特許商標庁 (USPTO)では、ファーストアクション(出願の最初の実質的な審査で、個別の出願が出願許可あるいは非最終拒絶になるかを査定するもの)で一件またはそれ以上の出願が拒絶される確率は、全特許出願の85%となっています。 この統計は一般的な特許に関するものですが、製薬、バイオテクノロジー、化学特許も拒絶率は高く、全特許出願の58%で出願が拒絶されています(2016年度と2017年度のUSPTO PAIRの製薬、バイオテクノロジー、化学特許データ)。 拒絶された出願の大部分が102条および103条によるものです。
102条による拒絶 | 103条による拒絶 |
---|---|
いずれかの先行技術が出願されている発明のあらゆる面に参照できるため、新規性に欠ける | 出願されている発明が、その主題の熟知度などの面で通常の技術を持った個人にとって明らかであり、自明性がある。 |
そのため、こうした経費のかかる拒絶の可能性を最小化するには、発明の新規性と独創性を確実にしなければなりません。
特許拒絶にかかる費用
特許承認プロセスは、たとえ問題なく進んだとしても多くの時間がかかります。 製薬、バイオテクノロジー、化学特許の場合、特許出願をしてからファーストアクションまでは平均で15ヶ月かかります。 しかし、拒絶された特許出願には事務手続きが余分に必要となるため追加費用がかかり、承認までの時間も一層長くなります。
102条による特許出願の拒絶では平均で弁護費用に3800ドルかかり、特許許可通知までに9ヶ月の遅れが生じます。 一方で103条による拒絶では、平均で弁護費用に4800ドルかかり、特許許可通知までに13ヶ月の遅れが生じます。 このように費用がかかる遅延はR&D会社にとって大きな経済的影響を及ぼすため、可能であれば避けることが重要です。
しかも、拒絶された特許は時間や予算を失うだけではありません。 特許承認プロセスの遅れは、IP保護の強みを実行する機会にも影響します。 持っていないものを保護することはできません。従って特許承認をより早く手にするほど、侵害に対して確実な手段が取れるのです。 IPの所有は貴社のコンセプトあるいは貴社への投資を考慮している人物にとって力強い指標となるため、このことは新規事業や新しいベンチャーにとって特に重要です。
特許出願プロセスの最善化
初めから最善の特許出願を準備するにはどうしたらよいのでしょうか。 まず最初に、最も優れた出願とは、関連するIP事情に対する完璧な知識に基づいているものであるため、特許出願書類を整える時には提出前に先行技術を徹底的に検索します。 新規性を論破するのに必要なのはたった一件の先行技術であるため、これは基本的なステップですが、発明が全く新しく独創的なものであることを証明するには徹底的な検索が必要です。
徹底的な背景検索は、発明の独創性を証明するだけでなく、その分野での新たなイノベーションの可能性を探ることにもなります。 科学文献を注意深くモニターすることで、地域やグローバルな特許傾向を精査し、それを利用して次の新たな研究分野を予測できます。 SciFindernなどの情報ソリューションにアクセスすれば、こうした市場傾向を観察し、変化の主要指標を監視できるため、特許出願の可能性が高まります。
しかも、最初は出願が拒絶されたとしてもそれで全てが終わりではありません。 実際、ファーストアクションで拒絶された特許の70%が最終的には承認されています。 最善の出願状態で開始し、拒絶された場合でも迅速に対応できる準備を整えておくことが成功の鍵です。
専門家は、検索とリソース面でどのように役立てるのでしょうか?
特許出願を整え拒絶に対処することは、早い時点から複雑な手順になって行きます。 103条による拒絶は処理が特に複雑で、複数のソースからの情報の組み合わせが必要になることがしばしばあります(103条による拒絶の31%が、4件またはそれ以上の先行技術を引用)。 このような場合、特許出願を整える前に経験豊かな特許研究者に相談することが不可欠です。
豊かな経験と優れた技能を持ち、包括的なリソースにアクセスできる研究者なら、信頼できる必要回答を提供できます。 また、ソース間の関係を分析し問題分野を識別して、技術と既存特許のギャップで貴社が最も成功できそうな分野を識別できます。 最終的には、こうした知識が成功できる特許出願に必要な競合優位性をもたらしたり、特許が拒絶された場合には再出願プロセスを完璧に整えるのに役立ちます。
出願から承認までのトラブルを減らしたいのなら、 CASがお手伝いできます。 弊社の検索専門家はフルタイムのプロサーチャーで、高度な科学教育を修了しており、集合的に260年以上もの経験を誇っています。 弊社の専門知識を活かして、特許出願プロセスのあらゆる側面でお役に立てることと思います。
特許出願プロセスの成功率を高めるには、 最新のインフォグラフィックをダウンロード して 今すぐ弊社までご連絡ください。