知的財産をめぐる状勢
研究開発(R&D)への投資額は毎年増加しています。 2021年の世界の研究開発費は史上最高額に達し、2.4兆ドルがイノベーションに費やされましたが、知的財産(IP)の実行可能性を正確にマッピングしない不完全な先行技術検索のために、この予算の30%が無駄になっています。 この問題を回避するには、どうしたらよいのでしょうか。
堅実なIP戦略には、絶えず変化するグローバルの知的財産の動向を、投資前に包括的かつ正確な事前分析を行う必要がありますが、これは日を追うごとに複雑になっています。
今、イノベーションはますます学際的になり、さまざまな科学分野や技術にまたがるようになっています。 これは、投資収益率(ROI)を確保する上で先行技術検索が以前より重要になり、そして困難なタスクになったことを意味します。
時間を節約し、国内のイノベーションが妨げられないようにするためには、効果的かつ包括的に先行技術検索を実行できる適切なツールを所有することが重要です。 特許はさまざまな言語で出願されており、そして特許出願文書の形式も多岐にわたるため、リスクを最小限に抑え、その知的財産の可能性を最大限に発揮させるには、こういった変数に対応できるツールを装備する必要があります。
洗練された先行技術検索ツールが必要な理由
検索エンジンは日常的な検索や課題に便利です。しかし、先行技術検索では実りある検索結果を得るのは困難です。 検索エンジンには、科学情報の各種形式や複雑な内容をナビゲートするために必要なアルゴリズムが実装されていません。科学情報は表やグラフ、そして英語以外の言語などで隔離されてしまっていることが多いためです。つまり、従来の検索エンジンに依存する先行技術検索では、分野の表示に顕著な隙間が発生する場合があり、特許申請に記載された発明など、関連先行技術が除外される可能性があります。
経験豊富な特許サーチャーであっても、包括的な先行技術検索を確実にするには適切なツールやテクノロジーが必要となります。 そこで、人工知能(AI)と機械学習の力を生かして目的を達成させているサーチャーが増えています。そうすることで、重要な文献を見逃したために発生する法的および財務上のリスクを軽減させているのです。 AIを使った技術を含む選択肢を採用することにより、検索プロセスが合理化されるだけでなく、法的に障害となる点を早い段階で特定し、IPに影響を与える可能性のある競合、または阻害となる特許出願クレームを見つけることができるようになります。
これはつまり、機械学習ツールにより先行技術を包括的に評価することで特許性と特許行使権リスクを認識できること、そして迅速かつ包括的に検索結果と関連文献を探し出せることを意味します。 それにより、検索の完了時点で速やかに判断を下すことができ、より確実な決定が可能になります。
STN IP Protection Suite - 先行技術検索に適したツール
一般的な特許検索ツールの対象ユーザーは、その人数および検索対象の専門性の双方で拡大しています。 たとえば、検索戦略を検証する必要のある企業や、異議申し立てなどの経営判断のために検索範囲を拡大しようとしている企業、優先日と出願日を確認したい科学者や発明家、などです。
こういった場合は、包括的なコンテンツや専門家の知識、そして特化した機械学習テクノロジーを活用し、検索対象分野の先行技術の百科事典的な認識を得ることにより、知的財産競合のリスクを最小化し、そして研究開発のポテンシャルを最大化することができます。
CASの主要IPソリューションSTNextは、CASが収集したデータと独自のアルゴリズムを駆使することで、検索が困難であり、通常なら高度なスキルを持ったサーチャーでないと先行技術の収集と判断ができないような関連IP情報も見つけ出します。
ユーザーは、先行技術検索の戦略を向上する包括的なツールを持っているという安心感の中で関連文献を探索できます。 検索結果を使って傾向を特定したり、早期の特許出願が重要になる可能性のある分野へ研究対象を拡大することもできます。 STNextには、効率的に特許意義を調査する機能もあるため、ユーザーは必要な情報をより迅速に見つけて、重要な経営判断をより正確かつすばやく行うことができます。
STNextの各種パッケージについてはこちらからお問い合わせください。または、革新的なSTN IP Protection Suiteの実演会を開催することもできますのでご検討ください。