スタッフ・シーハンは、電気化学者で、Catalytic Innovationsの社長です。 エール大学で博士号を取得しているほか、2016年にはエネルギー部門でフォーブスの「30歳未満の30人」の一人に選ばれ、2015年にはCASのSciFinderの未来のリーダー達の仲間入りを果たし、2017年にはChemical & Engineering News誌のTalented 12の一人に指名されています。 スタッフは気候変動問題の解決に情熱を燃やしており、二酸化酸素の排出量を削減する環境に優しいデバイスで安定的な進歩を見せています。
3年以上も前、私は化学のスタートアップ企業の世界を信頼した賭けに出ました。 私の最初の発想は、エネルギー消費を減らす実用的な解決策を研究所から実際の世界へ持ち込むことでした。 この賭けに出てから3年、Catalytic Innovationsは売上げを出し成長しましたが、それは容易ではありませんでした。
この決定には、数々の困難が伴ったと言えます。 こうした道に進むことは、まだ卒業したての若い博士にとって、伝統的な学術機関やコンサルティング、または企業への就職に比べて、当時もそして今でも慣習的なものではありません。 それは、豊富なリソースのある大学と言う環境から、自分と自分が持つ素晴らしい発想、そしてインターネット接続だけが頼りのインキュベーターに行くことを意味します。
エール大学の大学院生時代、私は人工光合成、つまりカーボンニュートラル燃料の化学結合を使った太陽エネルギーの変換と保管に関する研究をしていました。 この分野の知的財産(IP)は、求められる反応を起こせる触媒とシステムに集中しています。 これは、イノベーションの可能性が非常に大きな分野です。 空気から燃料やファインケミカルを生成することは、再生可能エネルギーや世界の気候変動問題の解決に重要なアプリケーションを持っており、私はこの分野にとても情熱を注いでいます。 それが弊社の焦点になりました。
このブログの投稿では、私がスタートアップの立ち上げで直面した困難をどのように克服したかを話し、私と同じような道を考えている若い企業家の皆さんにお教えしたい秘訣をまとめます。
知的財産の保護
化学のような技術系産業では、企業の焦点に関わらず、IPは最も価値ある資産です。 効率的でコスト効果の高い堅牢な方法でイノベーションを保護しなければなりません。 包括的な科学情報リソースへのアクセスは、防御可能な特許と効果的なIP戦略の構築には欠かせません。
弊社がライセンスしている水の酸化技術のポートフォリオの作成段階の初期には、SciFinderやPatentPak などのソリューションが、防御可能なIPを確実にする効果的な特許戦略の決定に役立ちました。 特許弁護士や審査官が先行技術を検索する時に使うものと同じツールにアクセスできることで、世界規模の特許文献の迅速かつ精力的な構造検索ができ、承認確率の最も高い特許草案を整えることができます。 これは、U.S. Patent and Trademark Office(米国特許商標局)に主要特許を承認してもらうためには不可欠でした。
MVPで予算を増やす
研究機関の科学者から小さな事業を管理する立場に変わったことで、多くの経費上の問題が起きました。 投資家、契約研究者、助成金などで経費を得るには、それぞれ微妙な困難がありました。 学術分野、大企業、或いは政府で働く場合に比べて、効果的な資金調達はより重要性を増します。 資金がなければ、小さな事業はすぐに行き倒れてしまいます!
MVP(minimum value product)についてよく考え、なるべく早くそれを販売することが、私からのアドバイスです。 顧客が簡単に馴染めて利用できる製品を考えてください。 あなたが持っている技術を最大限に見せられる製品ではなかったとしても、需要があるならビジネスは構築できます。
研究状況を徹底的に見直せば、貴社の技術に関連するあらゆるアプリケーションだけでなく、競合の可能性についても考慮できていることが確認できます。 Catalytic Innovationsは水の酸化触媒を使っており、人工光合成の防錆塗料及びその他のニッチなアプリケーションへの利用を考えています。
プロフェッショナルなネットワークの拡大
関連分野でのネットワーク構築はビジネスにとって有用であり、スタートアップの成功を確実にするために不可欠です。 まだキャリア経験が浅い科学者達には、 CAS SciFinder の未来のリーダープログラムやC&ENのTalented Twelveなどのネットワークの機会に応募する事を推奨します。 こうしたプログラムへの参加で様々な科学者達と出会うことができ、学術、産業、政府或いはスタートアップなどの分野で多様なキャリアの道へと乗り出すに当たって、貴重な知識を集めるのに役立ちます。 専門的な団体、例えば 米国化学会(ACS)などに加入するのも、ネットワークを拡大し、キャリアの発展を強化するためには良策です。
しかし、ビジネス目的のネットワーク構築は、単に新しい人に出会うと言う単純なものではありません。 ビジネスチャンスを探している時には、時間を効果的に使えていない状況に陥りやすのです。 ハイレベルなコネクションを作ろうとしている時には、選ばれた参加者が出席しているようなイベントに出るのも役立ちます。自分にとって有利なコネクションを作れるチャンスが高いからです。
起業家へ投資を考えている参加者に出会えるようなプログラムや成功への道を促進できるチャンスは十分にあります。 例えばSingularity University、Y Combinator、Techstars、MassChallenge、Forbesやその他多くのグループが、新興企業のネットワークを広げ、重要な接点を得られる素晴らしい機会を提供しています。 こうしたオプションを模索し、自分にとって何がベストかを考える事を提案します。
学術分野から産業界まで、若い起業家をサポート
学生からスタートアップへの転換を選んだ方々、それは簡単な道のりではない事を知っておいてください。 しかし、我慢強さとより広い科学コミュニティーと関わる意欲は、成功には欠かせません。 どの段階にあっても、私の経験ではCASとACSは役立ちます。 学術研究に携わっていた間も、そして起業家としてのキャリアへ転換する道のりでも、彼らのソリューションは非常に価値がありました。
IP ポートフォリオの作成、MVPのための資金調達、或いはネットワーク機会の模索など、あなたが今何をしているにしても、彼らに連絡をし、目的達成のためにどんな手助けをしてもらえるのか聞いてください。