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免疫療法とは、身体に備わっている免疫系統を利用することで腫瘍細胞を特定し、そして排除するものです。 免疫腫瘍学の分野は急速に発展しており、承認薬も著しく増加しています。 この分野に対する関心は衰えておらず、したがって将来的に膨大な機会があることを示しています。 2月21日、ハンツマンがん研究所(ユタ大学)、ジェンマブ社、そしてCASの専門家がウェビナーに参加し、免疫腫瘍学のビッグデータ解析から得られた洞察などを紹介しました。
免疫腫瘍学分野の最新トレンドについては、CASの最近の記事にて解説しています。または、ウェビナーの映像はこちらにてアクセスできます。
ウェビナーの主なハイライト
ウェビナーの冒頭では、弊社のKavita Iyerにより、CAS コンテンツコレクション™に収録されている免疫腫瘍学分野の論文データに対する自然言語処理(NLP)解析から得られた洞察の紹介がありました。 NLPに基づいた分析により、この分野で300以上の概念が8つの主要カテゴリーにわたって顕著になっていることが確認されました。その中には、治療ターゲットの種類、バイオマーカー、治療法そしてがんなども含まれています。 これらの新たに登場した概念は、CAS TrendScape®のマップで提示されたため、理解しやすいビジュアル形式になっていました。そしてそこで示されていたのは、ジャーナルへの論文掲載や、臨床試験そして承認薬が増加しており、この分野が急速に進化しているということでした。
次に、ハンツマンがん研究所のデータサイエンス担当シニアディレクター、Aik Choon Tan博士により、免疫腫瘍学におけるバイオマーカーに関連したビッグデータ解析の話がありました。 治療に対する患者の反応を予測するうえで、有効なバイオマーカーの必要性は強調しすぎることはありません。 Tan博士は、転移性悪性黒色腫における免疫チェックポイント阻害剤に対するレスポンダーとノンレスポンダーとの間のバイオマーカーの相違点を詳述した最近の研究結果を発表しました。 免疫チェックポイントに基づく治療では、効果と有害事象のバランスをとることが依然として課題となっています。 最後に博士により、免疫チェックポイント阻害薬によって治療したがんに対して免疫関連有害事象(irAE)に関する洞察を得るために、今後 clinicaltrial.gov や FDA有害事象報告システム(FAERS)などの一般公開されているデータベースを活用する可能性の話がありました。
次に、ジェンマブ社の上級副社長兼データサイエンス& AIグローバル責任者であるHisham Hamadeh博士により、データ共有とデータのプライバシー、そして「FAIR」なデータの概念の重要性についての話がありました。 博士は、最大限の洞察を得るために不可欠なデータの性質、そして(データ収集、集約、共有、そしてプライバシーなどを含む)データの取り扱いに関して提言をしました。 最後に、免疫チェックポイント阻害剤に対する患者の反応を予測する、AIベースのコンピュータビジョンなど最先端の技術について簡単な言及がありました。これは、「人間には計算できない」変数すらも考慮することができる、非侵襲的な技術です。
ウェビナーの締めくくりに、参加者から多くの質問が寄せられました。その中には、説明のあった方法論はどのようにして改善できるかといったことや、類似の分析手法を異なる分野間で適用させることができるかと言う質問、そしてデータのプライバシーと共有に関する質問などもありました。 今回のウェビナーでは、ビッグデータの解析を活用することで、免疫腫瘍学の分野において将来の研究開発のチャンスをつかむのに役立つトピックを特定できることが明らかになりました。
免疫腫瘍学での新たなトレンドや分かりにくい関連性についてさらに詳しく知り、この分野の現在の状勢を把握するには、詳細にわたる弊社Insightsの記事のほか、最新のエグゼクティブサマリーをダウンロードしてお読みください。 ウェビナーの動画や関連スライドは、こちらでご覧ください。